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リレーを使わない電源制御

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更新:2021年09月23日 執筆開始

ストレージやUSB HUBをノートやUMPC内の空いた空間に内蔵したい
 バッテリーを排したり不要なデバイスを取り外したノートPCやUMPCの筐体内部の空間を利用してストレージや追加のUSBポートなどを内蔵している私ですが、ことUSB機器を「内蔵」するにあたり内蔵するデバイスの大きさと電源容量で悩んだりします。

デバイスの大きさに関しては内蔵に適した小さな製品が「探せば見つかる」のですが、電源容量だけはUSBバスパワーだけでは不足してしまう場面が出てきます。

そこでバッテリーを排したノートPCやUMPCは外部から電源を引き込むのを利用して、引き込まれた電源から増設するUSB機器のバスパワーをもらって供給することにより、PC本体のバスパワーの容量の制約を受けず安定した電源を確保できるように考えます。

回路構築例

USBバスパワーをトリガーにした電源スイッチブロック図

MOS FETスイッチ
 小さな電圧と微小な電流(トリガ)で比較的大きな電圧・電流を入り切りできるMOS FETを利用したスイッチ基板がAmazonなどで購入できます。

似たような製品にモータードライブ制御基板がありますが製品を選ぶ場合の注意点は「スイッチする極性」を間違えない事。PCなどのデバイスとして使う場合には「GNDコモン(共通)」の製品を選びます。

対してモータードライバに使われるスイッチの多くは「+側コモン」でGND側をスイッチします。

一見どちらもスイッチで使えそうな気もしますが、制御側、信号線のGNDはスイッチされる側にあるとリークして本体(PC)と短絡し制御に失敗します。

簡単に言うとスイッチがONしていなくても信号線側のGNDと電源のGNDが短絡して電源が入りっぱなしになったりひどい話、制御・信号側のGNDが過電流で焼損します。

スイッチする極性の見分け方は基板のパターンのGND側が入出力(高電圧側)が繋がっていて、+側のパターンが分離している製品を選びます。製品の裏側配線パターンを見るとよくわかります。


MOS FETスイッチ基板裏側

 写真の基板は端子台を外せば3×4センチ高さ5㎜以下と比較的小さいため、コイル式のリレーを内蔵するよりも敷居が低いです。しかも最大電流が2桁台と結構大きな負荷にも耐えられます。

ただし内蔵するにあたり5A以上の負荷をスイッチする場合、基板を冷却する必要が出てきます。

USB3.0 HUBはセルフパワー方式にする
 USB3.0 HUBに繋がる機器の電源をPCからのバスパワーではなく、PC以外からの「セルフパワー」方式に改造します。PC本体の空き空間の大きさに合った製品をチョイスし、高さ方向に対してはHUBを分解してしまえばUSBコネクタの高さ分の大きさまで抑えることができます。(製品の作り次第ですが)

そしてPCとの接続にはHUBにバスパワーを供給しないようにUSB3.0コネクタの2番ピン(+5V)をHUBに接続しないように加工します。そしてHUBのPC側ポート(2番ピン)には上で説明したMOS FETスイッチの出力+5Vを接続します。GNDは共通に接続しておきます。

PC側USB3.0の2番ピンの+5VはMOS FETスイッチ基板の信号+に接続します。信号-はGNDに接続して共通にしておきます。

こうすることでPCの電源がONしたらUSB3.0のバスパワーがMOS FETスイッチ基板を動かし、MOS FETが電源をONしてUSB3.0 HUBへバスパワーを供給します。

電源が供給されたHUBに繋がったUSB機器はPCと時間差無く電源が供給されPCに認識されます。

スイッチICなんてものもある
 簡単に言えばマザーボード上にあるデバイスを制御しているICを利用してしまえという事です。

リファレンス回路

 こちらのIC制御のほうがサイズ的には小さく作れるのだけど基板を起こすのが面倒なので今回は割愛しています。(パッケージに放熱端子のある表面実装タイプなのです)

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