色々と手を入れる必要があるLIVA Q2
昨年年末に中古で購入したLIVA Q2でしたが発熱による性能低下が著しく、単品ではあまり使い道がないので一体型PCの新規製作用に内蔵モジュールとして作り換えようと思います。
本機は63×63ミリの基板面積が小さく、キャッシュの倍増でCherry Trail世代とくらべ約2倍性能が向上しています。ただメモリがLPDDR4に進化したもののシングルチャンネルで実装されている為、パフォーマンスが控えめになっています。(具体的にはグラフィックス性能が予想したほど良くはない)
ですが発熱による速度低下を緩和できれば利用用途が色々と思いつきます。
もっと言えばBIOS内のサーマルスロットリングパワースロットリングに関係するパラメータを編集できれば良いのですが、そこまでのスキルが無いので我慢します(笑)。
基板写真(改造中)
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メイン基板(SoC基板)
過去Atom SoC搭載PCを触ってきましたが、マザーボードのSoC周辺の構造は皆同じです。SoCのAtom N4100(CPU+GPU+その他)、メモリ、電源管理ICが目立っています。あとはBIOS ROMがあり、それ以外は電源関係の部品が目立ちます。
写真では電源アダプタの差込口を撤去し配線を半田付けしています。それ以外には電源スイッチを撤去し配線を半田付けしています。完全にケース内に内包する予定で製作しています。
SoCに放熱部(放熱用アルミ板)を密着させるため高さのある部品で撤去可能なものを取り外した状態です。
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メイン基板裏
メイン基板の裏側はノイズ対策のため脱着可能なシールド板が取り付けられています。内部は入出力制御IC(Super I/O)やeMMCが実装されています。表側のノイズ対策はヒートシンクを代用します。
表側に半田付けした電源スイッチ用の配線を裏に回しシールド板内を通って裏側に半田付けした電源線と一緒に基板外へ引き出しています。
あとRTC電池も裏側のコネクタに接続されます。RTC電池は交換が容易になるように後述のI/O基板に取り付けます。
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I/O基板
この基板はHDMI、USB、LAN、WiFiやBluetooth、MicroSDなどのPCとして必要な入出力が纏められています。本機で一番高さ方向に幅を食っている基板です。
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I/O基板裏
I/O基板にはUSB2.0とUSBバスパワーを外へ引き出しています。これらは外部からのUSBバスパワー用のスイッチと本機外部USB出力用のUSB2.0 HUBを直配するために配線を引き出しています。
USBポートにコネクタを接続すると接触不良に気を配らなくてはいけなくなるので出来る事なら基板から配線を直配したいと考えています。なのですが、USB3.0だけはシールド処理と配線の半田付けが面倒なのでコネクタ接続にします。(笑)
放熱対策
発熱に対して冷却能力が不足していたヒートシンクを取り外し、代わりに多少大きめのアルミヒートシンクをSoCとメモリ、電源ICへ取り付けます。
SoCにはサーマルグリスを使ってダイレクトに、SoCと高低差があるメモリと電源ICはサーマルパッドを挟んで密着させます。
ただそのままでは実装部品の高低差でヒートシンクは取り付けできない為、多少加工が必要です。
ヒートシンク加工
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アルミ板・ヒートシンク加工図
今回丁度良く基板サイズと同じ60x60ミリのヒートシンクを見つけたのでポチっています。もしFANレスを狙うのであれば放熱面積の大きなヒートシンクを用意すると良いでしょう。
マザーボード上の各部品の高さを考慮しSoCがヒートシンクと密着できる様にヒートシンクとSoCの間にアルミ板を挟みます。必要な高さは2.5mm以上で1.2mm厚のアルミ板を挟むとボード上の部品に接触することなくSoCとヒートシンクを密着できます。ただしアルミ板とヒートシンクは導熱両面テープで接着しますので厳密には「直接」ではなくなりますが。
SoCの高さは約1.5mm、メモリと電源ICは1mm程度で1mm厚のサーマルパッドを押し当ててアルミ板と密着させます。SoCよりは発熱が緩やかなのでサーマルパッドでOKでしょう。
今回はスティックPCとは違いネジ固定ができるので楽です。取り付け時に基板とヒートシンクの隙間をスペーサーなどで調整しないといけないのですが、都合のよいスペーサーが無いので平ワッシャーを重ねて高さを調整しようと思います。
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切り出したアルミ板(2か所)
当初アルミ板は2mm厚の物を使う予定でしたが試しに1.2mm厚の物を使ったらギリ周辺部品との高さをクリアしていたので1.2mm厚のアルミ板で作りました。
正直あまり高さが増すとPC本組の際ケース内に収めるのが難しくなる可能性も出てくるので出来るだけコンパクトに仕上げるように心がけています。
完成
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完成
写真はヒートシンクを取り付けた状態です。加工中色々と失敗していますので製作過程は割愛します。
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ベンチマーク中
加工の効果を確かめる為テスト環境を整えベンチマークを走らせてみました。ノートPC用FANの風を当てた本機に100%の負荷をかけた状態を疑似的に作り出して30分ほど放置しています。
結果 ()内は加工前の値
SoC負荷100%時 発熱61度(85度) クロック周波数1.5GHz
CPU-Z MultiThreads bench:4 Thread 451
上記の結果からSoCの負荷が高くなっても熱をうまく逃がせるようになりましたが、BIOS管理の電源制御がSoCの消費電力に応じてパフォーマンスを下げてしまうため放熱環境を改善してもパフォーマンスアップにはなりませんでした。
熱によるパフォーマンス制御なら今回のような冷却強化は有効でしたが、電力制御の場合SoCの電力消費を制御するため発熱とは関係なく負荷が高まったらパフォーマンスを下げるという定義がBIOSに施されています。
超小型PCにはこういう物もあるといういい勉強になりました(笑)。
結果、発熱で破損する心配が限りなく低くなっただけのように感じます。あえて良いところを探すならGPU負荷が高くても発熱を60度台に抑えられているのは良い成果だと感じています。
さてさてモジュール化したLIVA Q2をどのようにして活用しようか考え中です。
昨年年末に中古で購入したLIVA Q2でしたが発熱による性能低下が著しく、単品ではあまり使い道がないので一体型PCの新規製作用に内蔵モジュールとして作り換えようと思います。
本機は63×63ミリの基板面積が小さく、キャッシュの倍増でCherry Trail世代とくらべ約2倍性能が向上しています。ただメモリがLPDDR4に進化したもののシングルチャンネルで実装されている為、パフォーマンスが控えめになっています。(具体的にはグラフィックス性能が予想したほど良くはない)
ですが発熱による速度低下を緩和できれば利用用途が色々と思いつきます。
もっと言えばBIOS内のサーマルスロットリングパワースロットリングに関係するパラメータを編集できれば良いのですが、そこまでのスキルが無いので我慢します(笑)。
基板写真(改造中)

メイン基板(SoC基板)
過去Atom SoC搭載PCを触ってきましたが、マザーボードのSoC周辺の構造は皆同じです。SoCのAtom N4100(CPU+GPU+その他)、メモリ、電源管理ICが目立っています。あとはBIOS ROMがあり、それ以外は電源関係の部品が目立ちます。
写真では電源アダプタの差込口を撤去し配線を半田付けしています。それ以外には電源スイッチを撤去し配線を半田付けしています。完全にケース内に内包する予定で製作しています。
SoCに放熱部(放熱用アルミ板)を密着させるため高さのある部品で撤去可能なものを取り外した状態です。

メイン基板裏
メイン基板の裏側はノイズ対策のため脱着可能なシールド板が取り付けられています。内部は入出力制御IC(Super I/O)やeMMCが実装されています。表側のノイズ対策はヒートシンクを代用します。
表側に半田付けした電源スイッチ用の配線を裏に回しシールド板内を通って裏側に半田付けした電源線と一緒に基板外へ引き出しています。
あとRTC電池も裏側のコネクタに接続されます。RTC電池は交換が容易になるように後述のI/O基板に取り付けます。

I/O基板
この基板はHDMI、USB、LAN、WiFiやBluetooth、MicroSDなどのPCとして必要な入出力が纏められています。本機で一番高さ方向に幅を食っている基板です。

I/O基板裏
I/O基板にはUSB2.0とUSBバスパワーを外へ引き出しています。これらは外部からのUSBバスパワー用のスイッチと本機外部USB出力用のUSB2.0 HUBを直配するために配線を引き出しています。
USBポートにコネクタを接続すると接触不良に気を配らなくてはいけなくなるので出来る事なら基板から配線を直配したいと考えています。なのですが、USB3.0だけはシールド処理と配線の半田付けが面倒なのでコネクタ接続にします。(笑)
放熱対策
発熱に対して冷却能力が不足していたヒートシンクを取り外し、代わりに多少大きめのアルミヒートシンクをSoCとメモリ、電源ICへ取り付けます。
SoCにはサーマルグリスを使ってダイレクトに、SoCと高低差があるメモリと電源ICはサーマルパッドを挟んで密着させます。
ただそのままでは実装部品の高低差でヒートシンクは取り付けできない為、多少加工が必要です。
ヒートシンク加工

アルミ板・ヒートシンク加工図
今回丁度良く基板サイズと同じ60x60ミリのヒートシンクを見つけたのでポチっています。もしFANレスを狙うのであれば放熱面積の大きなヒートシンクを用意すると良いでしょう。
マザーボード上の各部品の高さを考慮しSoCがヒートシンクと密着できる様にヒートシンクとSoCの間にアルミ板を挟みます。必要な高さは2.5mm以上で1.2mm厚のアルミ板を挟むとボード上の部品に接触することなくSoCとヒートシンクを密着できます。ただしアルミ板とヒートシンクは導熱両面テープで接着しますので厳密には「直接」ではなくなりますが。
SoCの高さは約1.5mm、メモリと電源ICは1mm程度で1mm厚のサーマルパッドを押し当ててアルミ板と密着させます。SoCよりは発熱が緩やかなのでサーマルパッドでOKでしょう。
今回はスティックPCとは違いネジ固定ができるので楽です。取り付け時に基板とヒートシンクの隙間をスペーサーなどで調整しないといけないのですが、都合のよいスペーサーが無いので平ワッシャーを重ねて高さを調整しようと思います。

切り出したアルミ板(2か所)
当初アルミ板は2mm厚の物を使う予定でしたが試しに1.2mm厚の物を使ったらギリ周辺部品との高さをクリアしていたので1.2mm厚のアルミ板で作りました。
正直あまり高さが増すとPC本組の際ケース内に収めるのが難しくなる可能性も出てくるので出来るだけコンパクトに仕上げるように心がけています。
完成

完成
写真はヒートシンクを取り付けた状態です。加工中色々と失敗していますので製作過程は割愛します。

ベンチマーク中
加工の効果を確かめる為テスト環境を整えベンチマークを走らせてみました。ノートPC用FANの風を当てた本機に100%の負荷をかけた状態を疑似的に作り出して30分ほど放置しています。
結果 ()内は加工前の値
SoC負荷100%時 発熱61度(85度) クロック周波数1.5GHz
CPU-Z MultiThreads bench:4 Thread 451
上記の結果からSoCの負荷が高くなっても熱をうまく逃がせるようになりましたが、BIOS管理の電源制御がSoCの消費電力に応じてパフォーマンスを下げてしまうため放熱環境を改善してもパフォーマンスアップにはなりませんでした。
熱によるパフォーマンス制御なら今回のような冷却強化は有効でしたが、電力制御の場合SoCの電力消費を制御するため発熱とは関係なく負荷が高まったらパフォーマンスを下げるという定義がBIOSに施されています。
超小型PCにはこういう物もあるといういい勉強になりました(笑)。
結果、発熱で破損する心配が限りなく低くなっただけのように感じます。あえて良いところを探すならGPU負荷が高くても発熱を60度台に抑えられているのは良い成果だと感じています。
さてさてモジュール化したLIVA Q2をどのようにして活用しようか考え中です。